正しい男の選び方
師走に入る直前、「アマゾンの森林を守る会」の会合があった。
一年間の活動報告と、何か、新しい研究結果の報告などもあるはずだった。
皆と会って、いろんな話をすれば、きっと、あんな浩平なんかに惑わされることもないはず……
それに、忙しさにかまけて、政好と連絡をとっていなかったので、会うのが楽しみだった。
楽しみ……
楽しみ…………?
うん、楽しみにしてるはず。
葉子は急ぎ足で事務所に向かう。
事務所に着いてみれば、政好はすでに到着していて、報告会議の準備をしていた。このごろでは政好がすっかり取り仕切っている。
「何か手伝う事ある?」
葉子が政好に聞くと、近くにいた人の方を向いて
「あの人にお茶入れてくれる?」
と頼んできた。
「誰?」
「東京海洋大の教授。森林伐採が海洋汚染に与える影響の話をしてもらう予定になってるんだ」
「へー。政好が連れて来たの?」
「まあね」
「すごいね」
政好がこうやって、いろいろな企画をしてくれるので、最近の会の活動は活気づいていた。
きっと来年に向けて、新たな目標も立てるんだろうなー、なんて葉子は思う。
政好は、真剣に環境保護の活動に取り組んでいて、隣りにいると、自分もガンバロウ!って自然と思うのだった。