正しい男の選び方
……最悪だった。
パーティーを途中で抜け出して、モウレツに腹を立てながら部屋に閉じこもるなんて。
何て子どもじみたことをしてるんだろう?
一人で拗ねて怒って閉じこもって……バカみたいだ。
そんな風に思って、自己嫌悪でいっぱいになる。
しかし、浩平とカナが堂々とパーティーを楽しんでいる様子が頭にチラチラ浮かんで、自分との違いをまざまざと見せつけられたような気がして、どうしようもなく……惨めだった。
浩平は、しばらく隣りにいたようだったが、やがて人の気配が消えて、葉子はそれでもその晩は部屋から出てくる事はなかった。
さすがに疲れていたのだろう。
気がつけば葉子はぐっすり眠って、朝になっていた。
隣りのベッドを見ると、ルーシーが帰ってきた気配はなかった。
ふああとあくびをして、ベッドルームを出て行く。コーヒーが飲みたかった。
誰もいないキチネットでコーヒーを淹れる。一人静かに飲んでいると、隣りの部屋から浩平がのっそり出て来た。
(いたんだ……)
浩平が戻って来たことに葉子はほっとする。
「おはよう」
浩平に声をかけたが、浩平はむっつりした顔で
「……おはよう」
と一言言い返してあとはだんまりを決め込んでいた。
「…………」
葉子はこんなに不機嫌で怒っている浩平を見た事ない。
それ以上声もかけられず、ただ、手持ち無沙汰でコーヒーをすするだけだった。
浩平は……といえば、ソファにどっかと座ってテレビをつけてラップトップを前に仕事をしている。
葉子を拒絶するかのようなパフォーマンスだ。
頼みの綱のルーシーはどこをほっつき歩いているのか、部屋には戻って来ていなかったし、葉子はひどく気詰まりだった。