正しい男の選び方
「……浩平」
「何?」
コンピュータから目を離さずに、怒ったような声で返事をする。
「……あの、今日の予定……とか」
だんだん声が小さくなる。
「明日帰るから、それまで好きにしてていいよ」
冷たい声だった。
「明後日じゃなかった?」
「急用が出来たから明日帰ることにした」
「……」
葉子は黙って部屋を出た。
外はどんよりとしてとても寒かったけれど、人々の喧噪や鈴の音があちこちから聞こえて来て活気があった。
道行く人々はみな、大きな買い物袋を両手に抱えきれないほど持って歩き回っている。
誰も彼もがクリスマスの準備で忙しそうだった。
行くあてもなくぶらぶらしていると、いい加減寒くなって来たので、葉子はそこらへんにあるコーヒーショップに入って一息つくことにした。
どうやって時間をつぶしたらいいのか……葉子は途方に暮れる。