正しい男の選び方

朝、のろのろと起きてケータイをチェックする。

政好からいくつもメッセージが入って来ていた。そのメッセージは、どれもこれも、つまり、「会いたい」というものだった。
気が重い。
こちらもこのままでは済みそうもなかった。

ケータイを見つめながら対応策を考えていたら、キンコンカンと電話が鳴った。

政好からだ。
初めてだった、折り返しとか、返事とかでなく、政好から電話がかかってきたのは。

「ようやく連絡がついた!」

電話口の向こうで政好が安堵しているのが、葉子にもわかる。

葉子が怒って飛び出して……浩平に話を聞いてもらって、それからあれよあれよという間に浩平のペントハウスに転がり込んでそのままニューヨーク。
それからずっと音信不通になっていたのだから、政好も少しは心配してくれたのかもしれない。

そう思ったら、急に、自分がものすごく悪いことをしているような気がしてきた。

どうしても会いたい、という政好に押し切られて、カフェで待ち合わせをした。
穏やかで冷静な政好らしくない情熱に、葉子はノーと言えなかった。

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