正しい男の選び方

「……ポテトを作るのが上手だし」
「それだけ?」

「エコバッグ買ってくれたし。……たくさん」
「君の呆れんばかりの熱意ににうっかりほだされただけなんだよな」

「……ドライブの楽しさを教えてくれたし」
「環境には最悪の趣味って言ってなかったっけ?」

「いつでも私のためにトーフのミートローフ用意しておいてくれるし」
「料理の腕を磨くチャンスを逃したくなかっただけだよ」

「素敵なドレスを選んでくれて、綺麗だって耳元でささやいてくれたし」
「……あの日の葉子は本当に輝いていた。君と一緒でオレがどんなに誇らしかったか君は知らないだろう?」

「暗い夜が好きだし」
「……オレたちの意見が唯一合うところだ」

「そばにいて欲しい時にはいつも来てくれるし」
「顔にそのまんま書いてあるからなぁ」

「……それに、あなたとのセックスは、……最高だった」

とうとう浩平は声をたてて笑った。

「それはいい理由だ。……オレもそう思ってる」

葉子は、三杯目のワインをまた一気飲みした。

もう、ボトルはほとんど空だ。


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