正しい男の選び方
ずいぶんと長い演説だった。
ステーキがまずくなるではないか。
「それ、全部ソラで言えるのか。よく憶えてるなー、そんな細かいとろこまで」
浩平が感心すると、葉子はムキになって続けた。
「だから、アマゾンの森林を守るためには、肉を食べるべきではないってこと」
「だけど、開発を食い止めるなんて無理だろう。
それとも君は、アマゾンに住むひとは、電気も水道もない生活をすればいいって思ってるの?
病気になっても病院もない、こんな世の中なのに、電話もネットも使えない。彼らにそういう生活をしろと?」
「そんなこと、言ってないじゃない。そこにある一口をやめればアマゾンの木が一本切られずに済むっていう話でしょ」
「アマゾンの木のために、こんなに美味しい肉を諦める気にはとうていなれないね。
それに、オレは、見合うだけのカネを払ってるんだ。
アマゾンの木が伐採されるのは、オレが肉を食べるからじゃなくて、ブラジル政府が腐ってるせいだ。
アイツらを何とかしない限り、どっちにしたってアマゾンの木は伐採される、そうじゃないか?」
葉子はぐぐっと言葉に詰まった。