スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―
美香子先生は、俊くんの頭を優しく撫でた。
そして、膝立ちで少し伸び上がって、俊くんの額にキスをした。
「なっ、あ、ええ……っ!?」
俊くんが弾かれたように飛びのいて、バランスを崩して尻餅をつく。
耳と言わず首と言わず、一瞬のうちに真っ赤になってる。
美香子先生は、おっとりと笑った。
「あら、キスされたのも初めて?」
俊くんは固まってしまっている。
頼利さんが長々とため息をついた。
わたしはこの空気をどうすればいいかわからなくて、美香子先生ひとりがマイペースだ。
「なぎさ先生、そろそろおいとましない? ずいぶん遅くなっちゃったわ」
「そ、そうだね」
「俊文くん、表はまだ少し心配だし、裏の出入口を使わせてもらってもいいかしら? あっちは人目に付きにくいから。駐車場まですぐだしね」
俊くんは口の利けないまま、カクカクとうなずいた。