スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―
「元気印のなぎちゃんが振り回されて参ってるって、なかなか珍しいな。そのらみちゃんって子も謎のイケメンも、かなりの強者だね」
「うるさいなー。いただきます」
「今日の味噌汁の具、なぎちゃんの好きなアオサだよ」
「やった! この磯の香りが最高だよね」
「元気出たね」
「単純で悪ぅございました」
遅れて登場した本日の主役は鶏そぼろ丼だ。
錦糸卵と刻み紫蘇がまた彩り的にもいい感じで、時間がけっこう遅いというのにガッツリ食べてしまえる。
ヤバい。
でも、おいしい。
また太る。くぅぅ。
焼酎をちびちびやりながら、美香子先生が、ほわっと微笑んだ。
「らみちゃんは、やっぱり難しいの?」
「そうだね。能力的なことを言えば、すっごく賢いんだけど、何か話が噛み合わないんだよね。ほかの子と何が違うんだろ?」
「質問が多いって言っていたわよね。ちょっと考えればわかるようなことまで全部訊いてくるって」
「うん。それ、そんなに不思議? って、むしろわたしが訊き返したくなる。で、質問が始まったら、とことん訊きまくってきてエンドレス。もう大変なんだから」