スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―


あれやこれやと考え続けていたわたしは、半分湯あたり状態になって、お風呂から上がった。

ちょっと伸びてきた髪をタオルで覆いながら、そういえば今月末からプールが始まるんだったと気付く。

髪、切りに行かなきゃ。

短くしておかないと面倒くさい。


ふと。


「ん? メール?」


スマホのライトがチカチカしている。

両親や美香子先生とのやり取りはSNSのチャットだし、俊くんも同じくSNSだけど滅多に連絡してこない。

メールなんて寄越すの、誰だろう?


不思議に思いつつ、新着通知に触れてみる。

登録していないアドレスからだと気付いて、イヤな気分になった。

スパムメールか何かだろうか。



Sub : きみに会いたい。
=======================
きみに会いたい。
きみが恋しい。
きみのぬくもりを思い出している。
やっぱりきみを愛していたんだと
気付いている。
きみに会いたい。
近日中に会いに行くよ。
迎えに行くよ。
=======================



「何、これ?」


新手のスパムメール?

誰かのイタズラ?

まさか呪いのメールとかじゃあるまいし。

微妙に不気味だ。

会いたいとか迎えに行くとか言われても、送信者に心当たりがない。

いや、まったくないわけじゃないけど、可能性が低いというか。


とりあえず、わたしは謎のメールをスクリーンショットして保存した。

明日、俊くんと美香子先生に相談しよう。


< 54 / 240 >

この作品をシェア

pagetop