スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―


幸いなことに、わたしの説明はらみちゃんのセンサーに引っ掛かることもなく、教頭先生も納得の顔をした。


「なるほど。では矢島先生、よろしくお願いしますね。上條さん、おはよう。今日も早いんだね」


「教頭先生、おはようございます! あたしはいつも同じ時間に学校に来るんだよ。校庭の時計が7時32分なんだよ」


「すごいなぁ。ちゃんと決めてあるんだね」


らみちゃんは、極端に集中しているときを除いては、時間にすごく正確だ。

算数の授業中、わたしが「10分くらいで終わらせてください」と言ったら、必ず「キッチリ10分」に訂正させる。

授業が1分でも長引くと、もう全然座っていられなくなる。


不思議な子だ。

らみちゃんと関わりが深いらしいライリさんとやらは、どうやってこの不思議と向き合っているんだろう?


ちゃんと話を聞かなきゃいけない。

今日の放課後もつぶれちゃうのは、仕事の進行具合からして痛いけど、タスクは土日に回すことにしよう。


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