俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】
とりあえず間に合ってよかったと、ほっと胸を撫で下ろした。




柊くんは私より先に教室へと入り、自分の席へと向かっていた。




やれやれと思いながら続けて私も席へと着いた。




席に着くや否や、柊くんは隣で大きな欠伸をしていた。




そんな彼に聞こえるように小さな声で言った。




「私のおかげで間に合ったんだから、感謝してよねっ」

「は?頼んでないから」




そう言って柊くんはぺろっと舌を出したのだった。




なっ、なによそれ~!
確かに頼まれてはないけど…むぅ。




言い返す言葉が見つからず、私はやり返すようにあっかんべーをしてみせた。
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