俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】
「ほらっ走って!!」




私に無理矢理走らされて、不機嫌丸出しの柊くんだが、なんとかホームルームには間に合いそうだった。




そして教室の目の前までやってきて、私は勢いよくドアを開けた。




「遅れました!セーフですか!?」




教室へ勢いよく飛び込んできた私と無理矢理引っ張られたであろう柊くんの姿はクラスの注目の的となっていた。




あっ、やばい…勢いよすぎた…?




先生は名簿を片手に教壇に立ってこちらを呆れた目で見ていた。




「水沢と柊…ったく、朝から一緒に登校でギリギリに来るとか、何様だ?」

「先生!違うんです!一緒に登校なんてしてませんからっ。玄関で出会って、ここまで一緒に来ただけですから」




私は焦った様子で急いで、掴んでいた腕を離した。




もうっほんとに誤解されるような言い方はやめてほしい。




「はいはい。とりあえずギリギリセーフだから。今度からはもっと余裕を持ってこい」




先生はそう言うと、出欠確認を始めた。
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