俺の半径3メートル以内に近寄るな。 【完】
「ちょっと、それ私が先に選んだんだけど!」

「うるさい、俺が先に掴んだんだよ」




そう言って柊くんは掴んだお弁当を手放す気配が全くなかった。




「はぁ…もういいよ。私、別のお弁当にするから」




なんでわざわざ一緒のお弁当選んじゃうかな~

こんな偶然ってあり得る?

うぅ!あのお弁当食べたかったのに…!




不満を抱えながら他のお弁当を買うと、急いで涼香ちゃんが待つ教室へと戻った。




「おかえり花ちゃんっ遅かったね」




「あ~うん…色々あってね」




そう言って苦笑いをした。




チラッと隣の席へ視線を向けると、柊くんの姿はなかった。




そういえば昼休みにいっつもいないけど、どこでご飯食べてるんだろ。
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