水玉模様
空は、さっきよりも黒く、暗くなっていた…。

予想外の展開とは…正にこういう事を言うんだろうな。

篠田くんの言っていた公園に着いたあたし…何だか落ち着かない。


そうして―――。

気持ちを落ち着かせている暇もなく、篠田くんが走ってきた。

「お待たせ!」

「…ううん。てか走って来なくても良かったのに。」

「いや、待たせたくないじゃん?はい。」

篠田くんが差し出したオレンジジュースのパックは、ひんやりと冷たかった。

「…ありがと。」

「うん。」

小さな声でお礼を言うあたしに、篠田くんはにっこりと笑顔をくれた。

「何か、用だったの?」

「あー…保健室の、謝りたくて。ホントごめんね…?」

ずっと…気にしててくれたの?

見上げた篠田くんは、苦笑っていた。


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