水玉模様

そんな篠田くんに、

「お互い様じゃん？」

あたしも、少し苦笑った…。

「いや、でも…。嫌な思いとかしただろうし…。」

「だから、それもお互い様！もう気にしないで？」

あたしは、今日一番の笑顔で言った。

「俺、瀬口さんのケータイ知らないから、連絡もできなかったし。だから今日会えて良かった。」


”会えて良かった”

篠田くんの言葉が、頭の中で何度も繰り返されるーーー…。

「ねぇッ！じゃぁ、ケータイ交換しようよ！」

「え…っ。」


うわーーーッ！！！

何言ってんだろ、あたし。

「ごめん。聞き流して。」

篠田くんには森さんがいるんだもん、無理だよね。

自分で言っといて、さっそく後悔。

「瀬口さん、ケータイの番号…教えて？」

ポケットからスマホを取り出して、操作し始める篠田くん。

「…。」

あたしも、無言でスマホを取り出した。


いいの…？