水玉模様
「そんなつもりじゃなかったんだけど…ごめん。」

「…。」

あやまらないで…。

あやまりたいのは、あたしの方なんだから…。

「でも俺、瀬口さんを沙耶香のかわりだなんて思ってないから。」


その言葉に、衝撃が走った。

「そー…なんだ…。」

「うん。」

動揺する、心…。

篠田くんは、あたしの事を”気の合う友達”としか思っていないんだよね。

普通彼女いる人が、他の女の子と2人きりで花火大会なんて…ありえないよね?

かわりだなんて思ってないーーーって、かわりにもなれない…ってことだよね。


そっか…友達、か。

そうだよ…ね。

「篠田くん、気ぃ悪くさせちゃってごめんね!早く行こっ!」

篠田くんーーー友達でもいいから、今はあたしの隣に……。

こうして隣にいられるなら、友達ってポジションも…悪くないかもしれない。

「うん。」

篠田くんは、明るく頷いてくれた。



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