水玉模様
「ごめん…。」

腕の力が抜けて、篠田くんはソファーに座った。

「……。」

篠田くんの身体から離れたあたしは、今さらドキドキしていることに気が付いて、そっと息を整える。

「反則だよなー俺、彼氏いる子にさ。…何言ってんだろ。」

苦笑いしながら、あたしを見る篠田くん。


「ホントごめん。でも今2人きりだと思ったら、我慢出来なかったんだ…。」

「……。」


呆然とするあたしと、それを見つめる篠田くんーーーカラオケのモニターから音楽が流れる部屋の中、あたし達の間には、再び沈黙が流れた…。


そして沈黙を破ったのは篠田くん、静かに話し始めた…。

「高1の時から、瀬口さんのこと好きだったんだ…。」

「……。」

…え……それじゃぁ…。

「充也と一緒にいるところを良く見かけてて…。でも俺、沙耶香のこと……アイツには、俺がいてやらないとダメで…。」

あたし達はーーー…。

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