水玉模様
「え、ちょっと…。」

戸惑うあたしの手を引いて歩きだす篠田くん。

あたし達は、空き部屋へ入ったーーー…。


薄暗い部屋の扉が閉まると、篠田くんがあたしを見つめていることに気が付いた。

そして次の瞬間―――…あたしは、篠田くんの腕の中に居た……。

「篠田くん…?ちょっと…待ってよ、何…⁈苦し…!」

篠田くんは、腕の力を弱めようとはしなかった。

「篠田くん…!」




「好きだ…。」




―――――え?


「ずっと、好きだった。」


頭の中が、一瞬で真っ白になった。


「な…なに、言ってるの……意味、わかんない…よ…。」

その真っ白になった頭では、まともな会話など出来る訳もなかった。

「は、離して…。」


当然、この展開についていけてなかったあたし…。


好き―――?

ずっと好きだった?


なに……?

何を、言ってるの…?


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