水玉模様
「……。」

「先のことなんか、どうなっちゃうかわかんなくない?ぶっちゃけ瞬くんや篠田くんだけが男じゃないし(笑)。」

「う…ん……。」

「瀬口考えすぎだよ。」

「…。」


「だいたいあやねだって、生輝といつどうなるかなんて、全然わかんないしね。」

「あやねにしては超冷めた意見じゃん。」

あたしは、相変わらずぬるいままのジュースを、一口だけ飲み込んだ…。

「あは。そぉ?現実的と言って(笑)。」

「あはは…。」

実際は、全然冷めた意見なんかじゃなくてーーーすごく客観的で、大事なことを言ってると思うんだ。

あやねの言う通りで、現実的。

そして現実は、やっぱりあたしを待ってはくれなくて、当たり前の様にその時を刻む。

あやねは夕方、暗くなる前に帰って行き、あたしはその後瞬に電話をした。

あやねが瞬に「瀬口は昨日、突然食あたりになった」と、あたしが電話する前にウソの理由を伝えておいてくれたおかげで、会話はスムーズに進んだ。

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