水玉模様
「ちょっと送ってくるわー!」

玄関から叫ぶ工藤瞬に、

「ちゃんと出来ない様にしたんでしょうねー?」

お母さんらしき人から声が飛んできた。

…出来る出来ないって、何の話だ。

「…してねーし!」

「はぁ?アンタできたら責任とりなさいよ!」

あぁ…。

論点が食い違ってますけど。

「意味が違うっつーの。出来る様なことなんかしてねーからッ!…和奈姉ごめんね、うちの親いつもあんなんでさ。」

工藤瞬は、申し訳なさそうに苦笑っていた。

「ううん。楽しそうじゃん。てか日頃の行いが悪すぎるんじゃないの(笑)?」


ーーー外は、雲の切れ間から綺麗な月が見え隠れしていた。

さっきまでの雨は何だったんだ、という気持ちになる。

「はい、和奈姉。」

「…え?なに?……あッ!工藤瞬の⁈」

あたしは渡されたヘルメットに、一瞬びっくりした。


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