水玉模様
とりあえず、教科書はロッカーにでも入れておこうかな。


「…ん……。」

「‼︎」

お願いだから起きないでと祈りながら篠田くんのロッカーを開けて、教科書を入れようとした時だった…。

「あれ…?俺、寝てた…。」

ムクっと…起きてしまった。

「あ…おはよ、篠田くん。」

「瀬口さんじゃん…。何で…?」

今頃あたしの存在に気付いた、篠田くんだった。

「あ、あたしは委員会あったから、今…帰りなんだ。」

「そか。てか俺やべー、寝汗かきまくり。」

そう言って汗を拭く篠田くん。

あたしは、ドキドキしっぱなしだった。

「し、篠田くん、顔にシャツの跡ついてるよ?」

「え゛ッ⁈」

「ほら~。」

あたしは篠田くんに、鏡を渡した。

「…。」


フツーかな…。

フツーかな、あたし。

そんな事ばかり、気になってしまう。

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