水玉模様
もう誰もいないと思っていた教室に…。

あたしは気付かれない様に、そろそろっと自分の机に向かった。

「…⁈」

ーーー充也のヤツ。

机の上には、生物の教科書と…1枚のメモ。

【委員会おつかれ~。ハルカに返しといてね。
よろしくー。    充♡】


…なにが”充♡”だよ。

「…。」

あたしは、チラっと目をやった。

…なんでよ。

何でいるのよ。


…篠田くん。

「…寝てるし。」

まぢ、どーしよ…。

土曜日の事もあって、今日は何となく顔を合わせづらい。

充也も自分で返せばいいのに、嫌がらせかって…。

ホントに、寝てるや…。

近くで、篠田くんの顔を覗き込むだけで、どうにかなってしまいそうだった。

そっか、今日は森さんが休みだから…。


“悠ひとり占め。”

「…。」

充也からのメール…思い出しちゃったじゃん。


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