誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
「可愛い〜〜!」
「あ、あの、詠海[ヨミ]さん!?
私、やっぱりモデルなんて……」
「大丈夫大丈夫!趣味の範囲内だから……♪」
私を引っ張って家まで連れてきたこの人は、三年生。
やっぱり、先輩だった!
……にしても。
「わ、私が着たって可愛くも何もないですよ!?」
「なに言ってるの!
女の子はみんな、可愛いのっ」
そう言って、服を大量に持ってくる詠海さん。
そ、そんな服どこから……!?
「いや、でも私……」
おしゃれなんて全然無関心すぎて!!
「いいから、これ着てみて?」
微笑む詠海さんから、そっと服を受け取る。
こ、こんなカジュアルな服……
でも、せっかく選んでくれたから。
一回くらい、いいかなって。
「……はい」
押し負けてしまった。