誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
自己紹介の真っ最中、ざわつく教室の中で私は紗奈ちゃんと話していた。
「この学校、中学の同級生が来てるからさ、
皆知り合いなんだよね」
「そうなんだ、だから…」
ちらり、さっき暖かく出迎えられていたあの人を見る。
「ん…?ああ、夏木 膳(ナツキ ゼン)ね。興味ある?」
「きょ、興味っていうか、その…」
「競争率高いよ〜〜あいつは」
ふっと小さく笑う紗奈ちゃん。
また会えたら、お礼を言おうって決めてた。
男女共通で人気のある夏木くん。
言えるタイミング、あるかな?
──バチッ
あっ…目、合っちゃった……