二度目は誠実に
触らないでください
「谷さーん、悪いんだけど、これチェックしてもらえるかな?」


「いいですけど、この入力が終わるまで待ってもらってもいいでしょうか?」


沙弓は課長から三枚の文書を受け取り、入力中の自分のパソコンを指差す。渡された文書の日付を見ると、三日後になっていたから、急ぎではないと判断した。

当日の朝ギリギリに文書を仕上げる人もいるけれど、心配性の課長は遅くとも前日までに仕上げようとしている。

課長の行動パターンが分かっているから、無下に断ることはしないが、自分だけの都合で押し付けられては沙弓自身の業務に支障が出てしまう。

だから、優先順位をつけて引き受けることにした。


「うん、谷さんが忙しいことは十分に承知いるから今すぐじゃなくても、大丈夫だよ。そうだなー、三時までにやってくれると助かるけど」


沙弓の機嫌を損ねてはいけないと課長なりに考慮した時間だが、今は午前11時過ぎ。遠慮がちに言ってはいるものの、今日中に見て欲しいという思いが伝わってくる。

昼休みが終わってから、チェックしようと沙弓は苦笑した。それで、納得してくれるだろう。
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