二度目は誠実に
しかし、男二人は呑気で話を続ける。


「谷さんの肌、きれいですよね! 手だけでなくてほっぺもふっくらとしていて、見た目からしてすべすべですよね」


「あー、分かる分かる! 思わず撫でたくなるよねー」


「いや、撫でるとかは、俺には出来ませんが」


本人を目の前にして盛り上がっていたが、純太には撫でるところまでは共感できなかった。


「そうか? 撫でるくらいなんてことないよなー?」


「ふざけないでください。触らないでくださいよ。もうさっきから何を言ってるんですか!」


さすがに言いたい放題、やりたい放題にしておけなく、沙弓はビシッと拓人を咎めた。

しかし、謝ったのは拓人ではなく純太だった。


「すみません! 失礼なこと言ってしまいましたよね?」


純太は沙弓の機嫌を損ねてはいけないと許してもらえるよう謝る。

沙弓が怒りたいのは純太ではなく拓人だ。なのに、当の拓人は部外者のように素知らぬ顔でスマホをいじっていた。


「あ、内田ー!」


「お、平井」
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