二度目は誠実に
またこの家に来れるかは二人の関係次第だ。でも、知奈に手を振られて、沙弓も手を振った。また来れたらいいなと思いながら。


「遥香と何話したの?」


「いろいろです。内緒です」


拓人に対しての思いが変わった沙弓は、その後遥香との会話を楽しんだ。遥香も同じように動物好きだったこともあり、話は盛り上がっていた。


「今日はありがとうございました」


「えっ? いや、まだ終わってないよ。まだこれからだよ」


「まだこれから?」


沙弓はこのまま家まで送ってもらって、今日のデートは終了だと思っていた。

時間はまだ3時を過ぎたところで、家に着くまでは1時間半くらいある。早い時間だといえば早いけど、このあとの予定は帰るだけしかないのでは?

拓人は、首を傾げる沙弓をチラッと見て笑う。


「俺さ、今日のデートは絶対に成功させたいんだよね」


成功……どんなデートをしたら成功になるんだろう。
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