二度目の初恋
私は勢いよくぶんぶん触れられた手を払いのけるように首を横に振った。

すると時任さんが手を合わせて頭を下げた。

「本とーに頼む!勿論ただとは言わない。それにプロに最新のメイクをしてもらう。
こんなチャンスは二度とないよ。だから・・・・・・一生のお願い」

一生のお願いって・・・時任さんが言うと凄く安っぽく聞こえるのはなぜだろう。

「見返りとかじゃなくて人前に出るのが好きじゃないんです。時任さんには
申し訳ないですけどこればかりは・・・・・・」

と丁寧に断ってみたが

「こんなこと言いたかないけど、誰のお陰で亮太と顔を合わせずにすんでる?」

うっ!

イタいところをつかれて返す言葉が出てこない。

たしかに時任さんの仰るとおりだ。

だけど・・・・・・モデルって柄じゃないし・・・・・・

でも借りもあるし

私が返事に困って頭を抱えていると時任さんの手が私の頭に触れた

「考え方を変えればいいんだよ」

「え?」

「いつもと違う新しい自分になって気持ちをリセットするって思いで
 挑戦するんだよ」

「・・・・・・挑戦」

何だかうまく丸め込まれた感が否めないけど時任さんの言葉で

私はなんやかんや言いながらも最終的に引き受けてしまったのだ。
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