ダブル王子さまにはご注意を!



「中西さん、よかったらお友達になっていただけますか?」

「えっ! いいの!?」


思わず訊き返してしまうのは、自分がいろいろと残念な存在と自覚してるからだ。


「郁美、やめとけ。こんなダメ女の見本みたいなのが近くにいたら……ぐ」


笑顔を浮かべて踵で一樹の足を踏んだ。ぐりぐりと体重を掛けてやれば、変な顔になっててざまあみろ。


「はい。わたし……ずっと同じ病院にいて……それでもスタッフの方以外と仲よくなる機会があまりないんです。
一樹くんはお仕事で忙しいですし……せめて入院中だけでもたまにお会いしてお話ししたりお散歩できるだけでも……だめですか?」


ずぎゅ~ん! とハートが撃ち抜かれた。


涙を浮かべた彼女が上目遣いで頬を染めながら「わがまま言ってすみません……でも」なんてもじもじしながら言ってきた日には……。


私は男じゃないけど。決してそのケがある訳でもないけど。


撃沈、という二文字が頭の中に響いた。


「ど、どどどどうぞ……こんな私でよければ! ぜひともお願いします」

「本当ですか! ありがとうございます」


ぱああ、と明るい笑顔の藤井さんは、「郁美と呼んでください」と言うから、「なら私は真由理と呼んでね」と告げると。頬を真っ赤に染めて喜んでる。


なんですか、このかわいい生き物は。


そりゃ一樹が惚れるのも無理ないわ……。と自分との差を思い落ち込んだ。


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