ダブル王子さまにはご注意を!
「日下部刑事は幸村兄弟のことをどれだけ知ってますか?」
「生まれた時から、だな。ガキどもの母親が日本人だから、里帰り出産でうちのオヤジが警護の世話したからな」
「……!」
またも、二人の子ども時代を知る人がこんなにもあっさりと出た。郁美に続いて二人目となれば、確実に情報が得られるはず。しかもかなり年上だから記憶は確かだろう。
「なら、教えてください。二人が6つの頃に起きたことを」
私がそう希望すれば日下部刑事の顔から笑みが消えた。
「……あんたが、それを言うのか?」
「え?」
至極真面目な顔になった日下部刑事は、キャンディをパクリとくわえて噛み砕いた。
「……悪いことは言わねえ。それ以上訊くな、てか。もうあの兄弟と関わるのはやめとけ。今までと同じ平凡だが平和な毎日を送りたいならな」
「それは……どういうことですか?」
「……オレからは言わねえ。だが、警告はしといた。今が……命が大切なら関わるな。わかったな?」
ガリッ、と日下部刑事のキャンディーを噛み砕いた音がやけに大きく耳に響いた。