ダブル王子さまにはご注意を!
肌の白い女の子から……このペンダントを貰う光景。なにか言ってるけど、なぜか思い出せない。
でも……とギュッと私はペンダントを両手で握りしめて胸元に当てる。
確かに、この赤い宝石は大切なもの。わずかに思い出しただけで、切なくなるような思いが甦ってきたから。
「うん……きっとこれは大切なものだよ。梨花にお礼を言わなくちゃ」
安っぽいチープなペンダントでも、私には大切な宝物。パワーストーンが入ってる皮の袋の中に、石と一緒に入れて閉じておいた。
ま、パワーストーン自体高校の頃にブームになって、香織に乗せられて買ったものだけどね。
「……香織、やっぱり宝石店のことは思い出せない。けど、もっと大事なことを思い出した気がする。ありがとう」
「そう。ま、大切なものの方が重要だもんね」
パンパンと私の背中を叩く香織は無理するな、と言ってくれてるみたいで。またありがとうとお礼を言っておいた。
「それより、真由理。あんたどうするつもり?」
「え?」
お母さん、主語が無いからわかりませんよ。 とりあえず戸惑う私に、お母さんはため息をついた。
「幸村さんのプロポーズだよ。結婚してくれるのは嬉しいけど、あんたはどうも乗り気でないように見えるからね。実際のところ、あんたの気持ちはどうなの?」