ダブル王子さまにはご注意を!
あいつは……一樹は、私に教えてくれなかった。
(私に……いいところ? そんなのある!?)
じっくりと考えてみたけど、全然思い付かない。
情けないことに欠点ならいくらでも挙げられるのに、長所はまったく見つからなかった。
(……やっぱり……一樹も私の長所を見つけようとして、見つからずに困ったんだろうな……)
ズシン、と胸が重くなる。やっと気持ちを認めた相手が、自分のことをよく思ってないと知って……落ち込まないはずがない。
(いくら慰められたって……長所がなきゃ虚しいだけじゃん……)
だいたい、夏樹は私のどこが気に入ったんだろう? なんか希望だか太陽だか歯の浮くことをほざいてたけど、あくまでも子ども時代のことだよね?
幼稚園時代の私は内気でおとなしかったらしいけど、やっぱり外見通りに女の子らしかったのかな?
(でも……そんなイメージを押し付けられても困る。てか絶対に嫌だから、お姫さまだなんて)
プリンセスだとか肌がむず痒くなりそう。ホントに苦手だ……どうしてこんなに嫌なのかわからないけど、心底嫌だから仕方ない。
「女の子らしさは諦めて……他で自分を磨くしかないか……」
フリフリのドレスやバラの花なんて似合わない。シンデレラだの白雪姫だの。私には不似合いだしお断りだ。
(なら……他になにか……あ!)