ダブル王子さまにはご注意を!



何だかんだ言いながら、みんななにかを築いてる。意味がある人生を生きてる。次に繋がる命を生み出したり……何かに頑張ってたり。


なのに私は一体何をしてるんだろう? 生きてても無意味に時間を浪費してるだけじゃない?


恋人なんて出来ることなく、何の夢も希望も持ってない。努力すら最初から放棄してて……。


「……ダメダメじゃん……私……ハハハ……」


乾いた笑いが込み上げてきた。虚しい笑い声が独りぼっちの病室に響く。


「あ~あ……ホント……なにしてんだろ……」


熱いものが込み上げてきて、それを流さないためにギュッとまぶたを閉じた。

その上に両手を置いて、泣くなと言い聞かせる。


――不意に、ある言葉が脳裏に響いてきた。



“まずは今の自分を認めてやれよ。誰からも否定されるなら、自分だけでも認めて。いいと思え。ありのままの他人の全てを認めるやつなんざよほど居ない。だったら、自分が否定したら一体誰が自分を認める?”


「……!」


思わず、目を開いた。ガバッと勢いよく身体を起こす。


そうだ……あの時あいつはこうも言ったっけ。



“すべてが駄目な人間なんざよほど居ない。大抵なにかひとつはあるもんだ。
あんただって……”


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