ダブル王子さまにはご注意を!




車はずいぶん遠くに停めてるみたいで、せこせこと短い足を動かす。


遠目にもわかる、黒塗りの高級車。運転手がずっと待ってたようで申し訳ない……というか運転手付き!?


車なんて要らないぞ、と愛車は自転車な私からすればまるで別世界。さぁ、これでお見送りすれば任務完了と笑顔を作った私の耳に、とんでもない言葉が飛び込んできた。


「時に、真由理さんは一人暮らしでしたよね?」

「え、あ……はい。そうですけど……」


たしか、世間話として自分のことを多少話した記憶はある。ワンルームに住んでるとか。


「僕が住むマンションをうらやましいって言ってましたね?」

「それは、言葉のあやですよ。私は自分の身の丈を知ってますから、そんなお家は合わないって判ってますし」


(私みたいにズボラな干物女が住んだら確実にゴミ屋敷が完成するもんね)


今のワンルームでさえろくに片付けられないのに、6部屋もあったら悲惨なことになる。 このズボラさを直せばいいんだろうけれど、お休みだとついつい家でだらだらしちゃう気楽さを覚えたらもうやめられない。

つまみ片手に毎晩の晩酌だって私には欠かせないストレス解消法で楽しみのひとつ。無くなるなんて考えても嫌だ。


だから、女として終わってるんだろうけどね…。



< 16 / 235 >

この作品をシェア

pagetop