ダブル王子さまにはご注意を!
「一樹くんの好きなもの……ですか?」
怪訝そうに郁美が訊くのも無理はない。会っていきなりストレートに訊いてしまいましたからね……。なぜ遠回しに訊かなかった、自分。
「ちょ、ちょっと気になっただけだから。あのさ、アイツ私には意地悪ばっかりするじゃん。だからさ……好き嫌いを把握して復讐してやろうかな~~って……」
苦しい、自分でも苦しすぎると思う。この言い訳。
「…………」
郁美はなぜか俯いて黙ってしまった。やっぱりなにか勘づいたかな? 同じ人に恋する女として……こういうのは嫌なほど経験してきたから、わかっちゃうんだよね。
「あ、あのさ! 別に嫌ならいいから。無理に教えてくれなくても……」
「え、いえ。別に構いませんわ。一樹くんの好きなものと言えば……食べ物でよろしいんでしょうか?」
「あ、うん! 教えてくれるの?」
自分が言い出しっぺなのに、思わず遠慮がちになっちゃう。でも、郁美は「構いませんよ」と微笑んだ。
「一樹くんは……そうですね。お菓子が好きです」
「え、そうなの?」
意外や意外だった。
「はい。特に生クリームたっぷりでフルーツが入ったケーキ等がお好きなようです。後はチーズケーキなどでしょうか」
「ええと……フルーツ入りの生クリームたっぷりケーキと……チーズケーキ……ね」