ダブル王子さまにはご注意を!
がさがさと草を掻き分けて進む。小さな体には、身の丈より高い雑草は驚異だ。
「いつきくん……どこ?」
彼女……ううん、彼を捜さないと。息を切らしながら私は頑張って進む。
早く、早く彼を見つけないと……助けてあげなきゃ。きっと悪い人に……。
でこぼこの道を懸命に走る。時折つまづきながらも、彼を護るために。
「いつきくん!」
途中で知らない大人達がうろうろしてて、身を隠しながら進んだ。大人は知らない抜け道なんていくらでもある。
“ぼくの代わりにこれを……ぼくになにかあったら大人に預けるんだ。いいね?”
(イヤだ……イヤだよ! いつきくんになにかあったら……なんて。絶対にイヤだ!)
いちばん、大好きなのに。いちばん、大切なのに。
「いつきくん!」
やがて――複数の人影が見えてきた――。