ダブル王子さまにはご注意を!




あの時私は相当なショックを受けたんだと思う。


そりゃ、まだ六歳の子どもがついさっきまで一緒に遊んでた友達が、崖から落ちてピクリとも動かなきゃショックも受ける。

しかもその前に夏樹が幼いながら自殺を計ったんだ。それを救おうと奮闘した末。普段は内気だったならその衝撃は計り知れないだろう。


(だから……原因不明で入院したんだ……そして退院したころには記憶をなくしてた……)


でも、と思う。


「私は……思い出せてよかった。だって一樹のこと好きなのは昔からってわかったから……」


もう、何の躊躇いもなく彼に言える。どんなあなたでも好きだよ、と。


「一樹、私はあなたが好き。子どものころも……今も。ううん、再会してからも好きになったから、二度恋したんだ。あなたに……」

「……真由理」


ぎゅっ、と腕にわずかに力が隠ったのも。彼が私を抱き寄せたのも。もしかすると都合のいい勘違いかもしれない。


でも……。


ありがとう、と。彼が言ったことは……きっと勘違いじゃない。そう思えたんだ。


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