ダブル王子さまにはご注意を!
ギブミー! 安息の日々





「さぁ、たくさん召し上がってくださいね」

「はぁ……」


朝6時ジャスト。


身支度も完璧なスーツ姿にエプロンという萌え満載なイケメン様が、朝日以上にまぶしい笑顔をこちらへ向けてらっしゃいます。


対する私は起きたばかりの眠気眼で、髪もボサボサ顔も洗ってない始末。モデルルーム並みにお洒落でハイソな空間に不似合い過ぎる、高校時代からの毛羽だったグレーのスエット。

8人は腰掛けられそうな広いダイニングテーブルに並ぶのは、ポーチドエッグと厚切りベーコンにほうれん草やトマトやチーズを載せたトースト。

おろしたてのパルメザンチーズをふったしゃきしゃき野菜のシーザーサラダ。

朝からどれだけ煮込んだかと思うくらいにとろとろのコーンスープ。

ほどよい固さのスクランブルエッグ。


好きなソースを選べるフィッシュ&チップス。


おしゃれにカットされ並べられたフルーツ類。


朝から食べるには想像もできなかった豪華なメニューには目が点になる。


「あの……ハウスキーパーさんがこれを?」

「いえ。彼は8時から来ますから、朝だけは僕が用意するんですよ。お口に合うかわかりませんが、どうぞお召し上がりください」


「じゃあ……いただきます」


ニコニコ笑顔に負けてトーストに手を伸ばせば、ポーチドエッグの硬さと美味しさに絶句。


できるイケメン様はお料理すら完璧でした……。


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