ダブル王子さまにはご注意を!
その後、後輩くんが休憩中とかに、クリスマスのデートスポットやプレゼントを一生懸命調べてた姿を見てしまった。
【香織、井口くんに一樹のこと教えたでしょ?】
【別に悪いとは思わないよ。クリスマスまで1ヶ月を切ったのに、相変わらず音沙汰ないいい加減なやつより、ちゃんとあんたをまっすぐに見てくれる相手が良いと思うからだって】
「…………」
LINEで痛い点を突かれ、思わずため息が出た。
今は、11月末。クリスマスまで1ヶ月もない。
なのに……レオン王子からはこの1年まともに連絡がない。
手紙は毎週月曜日の夜に投函してきたけど、まったく返事が来なくなった。
「…………」
気になってたまにフリューゲル王国の動向をチェックするけれど、小さな国だからかあまりニュースにならない。
だけど……
近々、王子がオーストリアの令嬢と婚約する……との噂が流れてたけど。それはかなり信憑性があるもので。ああやっぱりとも思ってた。
(こんな遠い異国の庶民なんて……しかも三十路だし。選ぶわけないよね)
どう考えても、第二王子の彼が私を選ぶメリットなんてない。高い教養や容姿や名家出身という訳でもないし……。私は彼に何ももたらせない。
なんだか、現実を認識する度に想いは堅いけれど……望みは薄いんじゃないか……と思うようになってきた。