ダブル王子さまにはご注意を!
「それならば、これを見ろ」
どさり、と大きなカバンを渡された。一体なんなのか……と訝しく思ってふたを開けば。中にぎっしり詰まってたのは封筒。
「これがなに……え!?」
一通を手にしてから驚いた。あて先は……私の名前。
まさか、と思う。だけど止められない。次に出した封筒のあて先も私に。次も……そのまた次も。
レオン王子はいつも手紙と封筒に日付を書く癖がある。それを見れば、いつもいつも週内には返事が書かれていた……と知ることができた。
でも、おかしい。
「なぜ……出してくれなかったの? こんなに書いてるのに……私のところにはほとんど来てないよ」
「カールのバカの嫌がらせだ。オレが出す郵便物はすべてチェックさせ、郵便局で止めてやがったんだ。問い詰めたらあっさり吐いたよ。“だって真由理とハッピーエンドにさせたら悔しいからね”だってさ。あのひねくれた根性は一生なおりそうにないな」
「……これが……送付不可の印なんだ……」
手紙に押し印の代わりに押されたドイツ語のスタンプ。カール王子はどこまで意地悪なんだ……と腹立たしい気持ちがあったけど、レオン王子がちゃんと返事をくれてた……百通はあるだろう手紙の重さに、彼の気持ちを感じて涙が出た。