ダブル王子さまにはご注意を!
レオン王子はポケットからビロードの箱を取り出す。それを開けば、紅い宝石が輝く指輪があった。
そして――
レオン王子は人前というのに、請うように膝をついて私を見上げた。
「真由理、今まで待たせてすまない……だが、もう泣かせないと約束する。口下手だから……なんと言えばいいかわからないが……オレは……おまえがずっと好きだ」
だから、と指輪を差し出す。
「まだ……おまえがオレを好きなら……ともに歩いてくれるなら……この指輪をはめて欲しい。オレは……おまえとならしあわせを作れると確信している」
「……っ」
胸が、いっぱいいっぱいで。何を言えばいいのか……言葉が出てこない。
だけど、たった一つ言えることは……
しあわせだ、ということ。
でも……
私が振り返ると、井口くんは拳を握りしめて震えてた。
「井口くん……あの」
「今、話しかけてこないでください……これ以上惨めになりたくありませんから」
井口くんは肩を震わせながら、力なく笑う。
「4年も離れてたのに……一瞬でそんな笑顔を引き出すなんて……ぼくにはとても無理です。わかってましたよ……真由理さんの気持ちがどこにあるか。
それでも手に入れたいと思ったぼくも同罪。フィフティーフィフティーです。
だから……謝らないでください。
ぼくは本当にあなたが好きだから……本当にしあわせになって欲しい。ぼくが相手でないのは悔しいですけどね」