ダブル王子さまにはご注意を!
「じゃあ、デートは続行だな?」
「え?」
意味がわからなくて目を瞬けば、レオン王子がチケットをひらひらとふる。
「井口が譲ってくれたんだ。レストランとコンサートの後にホテルのスイートルーム。もちろん泊まりの覚悟はあったんだろ?」
ニヤリ、と笑うレオン王子の琥珀色の瞳は――完璧に肉食獣のもので。
「あ……あの……わ、私用事が」
隙をついて逃げ出そうと思ったのに、護衛や侍従さんたちに囲まれた上にハンターに捕まれば降参するしかない。
「大丈夫、初めてなんだろ? 手加減してやるから……ただ1週間ほど抱き潰すだけだけどな」
楽しみだな、と上機嫌な彼は完璧に悪魔の笑みを浮かべてて。
そっと、私の耳にささやいた。
「……こんなに綺麗になったおまえを一秒でも離すわけないだろ。他の男が見ないようにやつらの目を潰してやりたいくらいだ」
ああ、でもフリューゲル王国に帰ったらちょっと閉じ込めようか……なんて不吉なことをおっしゃいまして。
それから1週間……予告通りに身も心もどろどろに溶かされ甘やかされました。
こんなにも溺愛されるなんて……気づくはずもなく。
しあわせななかで思う。
本当に、二面性のある王子様にはご注意を!
【終わり】


