ダブル王子さまにはご注意を!
「いいえ、中西様とお呼びさせていただきます。夏樹様と一樹様の大切な方と御伺いしておりますので」
「え!?」
執事服だろうタキシードが良く似合い品の良さすら感じさせる、そんなダンディーおじ様からそんなふうに言われては……まさか“冗談で~す”なんて誤魔化せるはずもなく。今のところ、ただ後ろの一樹を睨み付けるだけに留めた。
「あんた……後できっちり締め上げるからね!」
「春日の前でそんな乱暴な言葉遣いはするなよ。あれでも貴族に仕えることも許される上級バトラーだからな」
小声でひそひそやり取りすれば、やっぱりあのダンディーおじ様が執事だと知れた。執事ってセバスチャンって名前の外人さんを想像するけど、日本人でも案外悪くないかも……なんて。変な萌えに走りそうだから自粛。
春日さんに完璧な一礼で見送られ、ふかふかのシートに身を預けながらふたごの兄弟とともに市内に戻った。