ダブル王子さまにはご注意を!
「ほれ、焼き芋があるから食べたら帰んな」
へばった私たちをおばあちゃんは和室に上げてくれ、焼き芋とあたたかいお茶を振る舞ってくれた。
レンジではなくて暖を取る火鉢で焼いたお芋。芯まで温かくて甘くほくほくして美味しい。子どものころ、お手伝いしたらたまに焼いてくれたんだよね。妹に内緒で持ち帰って食べたこともあったっけ。
「なかなか面白いお仕事ですね。子ども達のコミュニティとして立派に機能してる」
夏樹が駄菓子屋に興味を持ったか、あちこちを見渡しているけれど。おばあちゃんは無関心そうにお茶をすすった。
「こみだとか何とかは知らないよ。あたしゃ好きでやってるだけだ。来たい人間は来ればいいし、無理強いはしたくない。ただ、来たなら好きなだけいりゃいいさ。それだけでやってるだけだ」
「要するに、自然体ってことだな……あちちっ」
舌を火傷した! という一樹に、おばあちゃんの許可をもらって冷蔵庫の製氷皿から氷をいただきビニールに包んで彼に渡した。
「はい、すぐに冷やさないとね」
「あ……すまん。いてて……」
涙目の一樹は渡した氷を舌に当てる。和室からは小さいけれど庭が見えて、そこからさわさわと秋の風が入ってきた。
「風が冷たいな……戸を閉めた方がいいんじゃないか?」
ある程度痛みがとれたのか、氷を噛み砕きながら立ち上がった一樹は障子に手をかけて――なぜかそこで動きを止めた。