Pathological love 番外編
「ヤバイ!!どうしよう?落ち着け……私!!料理は後は温めればいいだけだし、連理がお風呂に入っている内に準備すれば、余裕で間に合う……大丈夫!!」
玄関の前で息を潜めていると、廊下を歩く足音が響いて来た。
足音は次第に近付いて家の前で止まり、当たり前の様にドアのベルが鳴った。
「ふぅ~…………大丈夫、上手くいく。」
私は一呼吸置いて、玄関のドアを勢いよく開けた。
「おかえり~連理!!お疲れ様~!!」
「ただいま。」
あからさまに変なテンションの私に、よそよそしい彼は、訝しげな目で私を見ている。
(この雰囲気に呑まれちゃダメだ……落ち着いて…………。)
「その恰好……何処か出掛けるの?」
「えっ?」
(サプライズだし、ここはまだバレない方がいいよね?)
「う……うん!!今からちょっと会社の人と飲みに行く約束なんだ!!…………そんな事より、お風呂沸かしたから入って!!」
「…………俺が言った言葉なんか……直ぐ忘れるんだな…………。」
「えっ?」
小さい声で一言呟くと、掴んでいた手を振り払らわれた。
「連理?どうしたの?待って!!」
「お望み通り風呂に入るから、ついてくんな。」
目の前で浴室の扉が、大きな音を立てて閉じられた。
何で怒っているの?
訳が分からず、暫く呆然と立ち尽くしていた。
頭の中はクエスチョンマークだらけ。
どうして?
何を間違った?
私は……私は…………
鼻がツンと痛んで、熱いモノが込み上げる。
その場にしゃがみ込むと、私は子供みたいに泣きじゃくっていた。
「やだよー………ひっく…ひっく…何で怒ってるの……ひっく…………どうしたら……よかったの?……ひっく……」