Pathological love 番外編
空が白み始めた頃、いつの間にか眠っていた俺は、身体にのしかかる重みで目を覚ました。
ぼやけた視界の中で、微睡みながら最初に目にしたのは、俺の胸の中に寄り掛かって眠る、彼女の頭だった。
「フフッ……あったけー………。」
隣からは静かな寝息が聞こえてくる。
俺はそっと彼女の額にキスをした。
「…………可愛い……。」
暫くの間、その寝顔を眺めていた。
幸せ過ぎてどうにかなりそうなくらい、心が満たされているのを感じる。
本当は、令子を抱く事を躊躇していた。
彼女の身体を心配していたのも、勿論理由の一つだ。
けれど、真面な恋愛をして来なかった俺は、女を抱くという行為をただの欲求解消としか考えていなかった。
そんな俺が、ちゃんと愛する人を抱く事が出来るだろうか?
抱いたその後は……?
何より自分の恋愛観が正常になったのか自信が無かった。
彼女を抱いた今、まだこんなにも心が震える。
愛しくて堪らないこの気持ち。
「皆が言う幸せって……きっとこうゆう事なんだろうな…………。」
ボーッとその幸せの風景を眺めていると、令子の身体がピクッと動き出した。
俺は咄嗟に寝た振りをする。
「んん~……。」
隣の様子に聞き耳を立てていると、彼女はもぞもぞと動き出した。
「……うぅん……もう、朝?」
起き上がるのかと思いきや、彼女はまた俺の胸の中に戻って来た。
「……フフッ可愛い寝顔…………睫毛長い……鼻も高い……いいなぁ…………恰好いい……フフッ……全部私の……フフッ……。」
独り言を言いながら俺の胸に擦り寄ってくる。