分かりやすすぎる新島くん





「……校門のとこで

たちばなが変な男に絡まれてるって騒ぎ聞いて、めっちゃ焦った」




ポツリと、
新島が言葉を落としていく。

かすれ気味のその声は、
ますます私の心拍数をあげていく。


私が光をつれて学校を離れたのに、
私は光に絡まれてることになっていたのか。


でも、私が変なふうに噂されていなくてよかった。


なんて、新島に抱きしめられながら冷静に考えられていたのはつかの間で。



「___っ、わ、ちょ、新島…」



さっきよりもきつく、きつく。


新島の腕が、体が、

私に密着する。




「なんもされてなくて、


……よかった」








ダメだよ、

新島。



そんなずるい言葉ばかり、
投げかけられて。



もう否定できるわけない。


意地になってる場合じゃない。



だって、隠せないほどに、
溢れる。




好き、好き、新島が、





「好き」








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