【完】私の甘い彼氏様




懐かしむように目をぱちぱち瞬かせ、どこか遠くを見ている雛乙ちゃん。


小学3年生で恋なんて、早いのか遅いのか分からない。

でも、その恋が今まで続いてるってことは本当にすごいことなんだと思う。


小学生の恋なんて遊びでしょ?なんて思う大人もいるかもしれないけれど、今もずっと翔大だけを見ている雛乙ちゃんの恋は本物だ。


年なんて関係ないのかもね。







「クラス替えで翔大と同じクラスになったの。翔大って小学生の頃もあんな感じで、人をまとめたり、クラスの中心人物だったんだ」







その頃の翔大のことも、心底愛しいと、雛乙ちゃんのその目が物語っている。



一人の人を想い続けるって、大変。


その人の行動に毎度毎度一喜一憂。

その人を気にしすぎて、なんだか張り切っちゃう。

少しでもその人の目に映りたくてなんだって頑張れちゃう。


恋をするのって楽しいけどなんだか疲れる。


それを雛乙ちゃんは何年間も続けてるんだね。


< 343 / 387 >

この作品をシェア

pagetop