【完】私の甘い彼氏様




「初日にクラスの代表決めがあって中々決まらなくてみんな駄々こね始めて先生も困ってた。私はなんも出来ずにただ見守ってたんだよね」







あるあるだ。


代表になんてなったら1年間か卒業までこき使われることは目に見えてる。

そんなの誰だってなりたくなくて、でも立候補か推薦がない限りは堂々巡り。


早く帰りたい人も、クラス替え初日で始めて見る人もいるのに発言しにくい。

それに発言なんてしちゃったら注目されて、最悪自分を代表に……なんて考えも過る。








「でもそこでスッと手を挙げたの、翔大が」








雛乙ちゃんのその言葉に今年の学級委員決めを思い出す。

今年も同じようになって、翔大が手を挙げてたな。


翔大って昔からそういう人だったんだね。







「それまでも翔大を好きっていう女の子はいっぱい知ってたけど本人を見るのは始めてで…なんか胸がドキッてしたんだ」






雛乙ちゃんのことを見ているとなんだか幸せな気分になる。


こんなにも想っている雛乙ちゃんの気持ち、無駄になりませんように。

まあ、本人達が勇気を出せばあっという間だろうけどね。


< 344 / 387 >

この作品をシェア

pagetop