イジワルな彼に今日も狙われているんです。
「木下かわいい。喰っちゃいたい」
「なっ、なに、言ってるんですか……っ」
「とりあえず、キスしていい?」
一応訊ねてはいるけどこっちの返事はまったく聞かず、尾形さんがぐわっと獰猛に口を開けて私のそれに噛みついた。
驚いてとっさに彼の胸板を押したけど、びくともしない。べろりとくちびるを舐められたことに驚いて思わず悲鳴をあげかけると、それを見逃さなかった尾形さんの舌が簡単に私の口内に侵入してきた。
がつがつと貪るようなキスに息をつく間もない。もう何がなんだかわからなくて今にも卒倒しそうなのに、尾形さんが私の頬から後頭部に移動させた手に力を込めたせいでさらに深くくちびるが重なって、殊更めちゃくちゃにされた。
なんてことだ。私今、尾形さんに食べられてる。
こないだお酒の匂いの尾形さんにされたキスとは全然違う。あのときはただ、くちびるが軽く触れ合っただけだったのに。
まだ私、キスは二度目なのに。こんなのって、なんか、なんか。
散々口内も表面も好き勝手蹂躙された末、ようやく尾形さんが顔を離して私を解放した。
すっかり身体から力が抜けてしまった私は、くたりと彼の胸に寄りかかる。私の髪を撫でながら舌なめずりするその様は、完全に肉食獣のそれだ。
息も絶え絶えな私は真っ赤な顔で力の入らない右手を持ち上げ、抗議のため尾形さんの胸元を弱々しく引っぱる。
「う……私、まだ……っに、二回目、だったのに……っ」
「悪い、いろいろフラストレーション溜まってたのが爆発して加減できねぇから、諦めて慣れろ。つーかやっぱ木下こないだのがファーストキスだったんだ? ハジメテが全部俺とか、何それ最高だな」
「私はもう、死にそうです……っ」
おとなしく広い胸におさまりながらも泣きごとを言う私に笑って、尾形さんが私の両腕をそっと掴む。
互いの顔が見えるくらいに視界がひらけると、見上げた先の尾形さんはやっぱり楽しげに笑っていた。
「なっ、なに、言ってるんですか……っ」
「とりあえず、キスしていい?」
一応訊ねてはいるけどこっちの返事はまったく聞かず、尾形さんがぐわっと獰猛に口を開けて私のそれに噛みついた。
驚いてとっさに彼の胸板を押したけど、びくともしない。べろりとくちびるを舐められたことに驚いて思わず悲鳴をあげかけると、それを見逃さなかった尾形さんの舌が簡単に私の口内に侵入してきた。
がつがつと貪るようなキスに息をつく間もない。もう何がなんだかわからなくて今にも卒倒しそうなのに、尾形さんが私の頬から後頭部に移動させた手に力を込めたせいでさらに深くくちびるが重なって、殊更めちゃくちゃにされた。
なんてことだ。私今、尾形さんに食べられてる。
こないだお酒の匂いの尾形さんにされたキスとは全然違う。あのときはただ、くちびるが軽く触れ合っただけだったのに。
まだ私、キスは二度目なのに。こんなのって、なんか、なんか。
散々口内も表面も好き勝手蹂躙された末、ようやく尾形さんが顔を離して私を解放した。
すっかり身体から力が抜けてしまった私は、くたりと彼の胸に寄りかかる。私の髪を撫でながら舌なめずりするその様は、完全に肉食獣のそれだ。
息も絶え絶えな私は真っ赤な顔で力の入らない右手を持ち上げ、抗議のため尾形さんの胸元を弱々しく引っぱる。
「う……私、まだ……っに、二回目、だったのに……っ」
「悪い、いろいろフラストレーション溜まってたのが爆発して加減できねぇから、諦めて慣れろ。つーかやっぱ木下こないだのがファーストキスだったんだ? ハジメテが全部俺とか、何それ最高だな」
「私はもう、死にそうです……っ」
おとなしく広い胸におさまりながらも泣きごとを言う私に笑って、尾形さんが私の両腕をそっと掴む。
互いの顔が見えるくらいに視界がひらけると、見上げた先の尾形さんはやっぱり楽しげに笑っていた。